智子は諦めてリボンを首に巻いた。
リボンはマジックテープで留めるようになっていて、首にピッタリとフィットするように出来ていた。
リボンの太さと同じ幅の丸い飾りがリボンにつけられていて、飾りの表面には官能学園のマークが刻印されていた。
丸い飾りには5cm程の長さのリボンが2本つけられていて、歩いたり風が吹くとヒラヒラと揺れ動いた。
生徒達はピンクのリボンをしていたが、安藤さゆりは紫だった。
そして智子の細い首には真っ赤なリボンが巻きつけられていた。
(この色は何か意味があるのかしら...?)
智子はトイレの洗面台の鏡に映る自分の姿を見て首を捻った。
「犬じゃあるまいし...ふざけてるにも程があるわよね、まったく...」
トイレから教官室に戻ると斎藤がさゆりと話しをしている所だった。
「吉田先生、 探してたんですよ!」
「私をですか?」
「おぉっ! 赤いリボンが良く似合いますね!」
「そんな...やめてください」
「もう16:00をまわってしまいましたから、あと30分ほどで今日の授業が終わるんですが、 吉田先生にちょっと見せたいものがあるので来て欲しいんですよ」
「見せたいもの? なんですか、一体?」
「まあ、それは見てのお楽しみです。 それでは、行きましょうか」
智子はさゆりが何か知っているかもしれないと、さゆりの方を見たが、さゆりは最初から二人の方を見ない様にしていたようで、窓の外をボーッと見ているだけであった。
「とにかく、行きましょう」
斎藤はゆっくりした足取りで智子の先を歩いて行く。
(何を見せようっていうのかしら...)

斎藤が智子を連れてきたのは屋内プールの横に立っている体育館だった。
「体育館ですか?」
「ええ、こっちです」

体育館の入り口のガラスのドアをあけ、中に入ると金属製の引き戸が目の前をふさいでいた。
中からはかなりの人数のざわめきが聞こえてくる。
(これって、もしかしたら私の歓迎会なのかしら? )
智子ははやる気持ちを押さえて斎藤が開けた引き戸の中に入っていった。

そこには100人近い生徒達が群がっていた。
男子生徒が7割、女子生徒3割といったところだろうか。
智子はこれから行われる事が歓迎会ではないと言う事に直ぐに気がついた。
「一体、何が始まるんですか?」
「まあ見世物というか、見せしめですね」
「見世物? それは、一体....」

生徒達の上のほうから大きな声が聞こえてきた。
「いや~っ! やめて~っ!」
智子は声の上がった方を見上げると、体育館の天井から大きな物体がゆっくりと降りて来た。
「斎藤先生、なんですか一体!」
「すぐにわかりますよ...吉田先生にも気に入って頂けると思いますよ」
斎藤は卑らしい笑みを智子に向けた。
「あ...あれはっ!」
X字の磔に全裸で括り付けられた女性の姿がワイヤーに釣り下げられ、ゆっくりと智子の前方に降りて来た。
「裸じゃないですか! 何をするんですか、一体!」
「彼女は校則を破ったんですよ。だからお仕置きされるんです。 ただそれだけです」
「ただ、それだけって...男子生徒だっているのに! 早く何とかしてあげてください」
「それは駄目です。 彼女は校則を破ったんですから、それ相応の罰を受けなければいけないんです。それがこの学園の決まりですから」
「それにしたって....あっ!」
智子は磔にされた女生徒の股間にあるべき翳りが無いことにやっと気がついた。
「ヘ、ヘアーが...ない....」
「ああ、アソコの毛ですか? この学園では女性であれば例外なく、教師でもオマンコの毛をツルツルにしなけれ
ばいけないんですよ、吉田先生、あなたもね、ヒヒヒッ!」
「れ、例外なく....?」
「あれ? 教頭先生に聞いていませんでしたか? おかしいなぁ、校則で決まってるのに....まあいいや... そ
れじゃあ私が教えてあげますよ。 女子生徒は入学したと同時に、教師は官能学園に来た日の全授業が終わるまでに剃らなければならないんですよ」
「....そ、そんなぁ....」
「ということは後20分ないですよ、吉田先生」
「ええっ!」
智子は両脚の力が抜けていくのを感じた。

生徒達の目線のあたりに女子生徒の乳房が来たあたりで磔が降りてくるのが止まった。
それと同時に生徒達が磔の少女にいっせいにたかっていった。
智子はその時に生徒達の手に羽根毛が握られているのに気づいた。
「い、いや~っ! やめて~っ! く、くすぐったーい! い、ひぃーっ!」
体育館の空気を切り裂くような声が生徒達の真ん中から聞こえてきた。
生徒達は手にした羽根毛で磔の少女をくすぐっているのだった。
「ん、あ、あ~っ! だめ! やめてーっ! アハハハハーッ! く、くるしい~っ!」
智子は思わずその異常な光景に見入ってしまっていた。
そして自分が同じ事をされた時の事を考えると心底ゾッとした。
くすぐったがりの智子には拷問以外のなにものでもなかった。
(私、あんなことされたら気が狂うか死んじゃうかもしれない....)

「校則を破ったら教師でもお仕置きですからね!」
ざわめいている体育館の中でも一際大きい斎藤の声で智子は正気に戻った。
あと少しで校則を破る事になってしまう。
今の智子には少しの時間しか残されていなかった。
智子は斎藤の顔を見た。
「あと10分ないですよ、吉田先生」
智子は斎藤に背を向けて、体育館から走って出ていった。