静かな室内に乾いた音が響く。その音で自分を取り戻した隆史は、朦朧とした頭であたりを見まわす。

「た、隆史くん・・・?」
 ぺたんとしゃがみ込んでいた葉琉奈が、心配そうな瞳で問いかける。目があった瞬間、隆史の脳裏につい今しがたまでの出来事が思い出された。

「ごめん! 俺、なんてことしてしまったんだ・・・」
 顔を伏せて、血がにじむほど唇をかみしめる隆史。自分はこんなことを望んでいたのか・・・そんな激しい自己嫌悪に襲われる。
「う、ううん、いいの。それより、隆史くんが無事でよかった・・・」
 葉琉奈はあふれでる涙を指でぬぐいながら、そう隆史を慰めた。
 
 はだけた斎衣からのぞく胸元、乱れた袴の裾からは細いすべすべした太股が露になっている・・・やっと顔をあげた隆史の目に飛び込んできたのは、そんな葉琉奈の姿態だった。そして、下半身を覆う袴の中心、ちょうど葉琉奈の股間に当たる部分がじっとりと湿っているのに気づき、隆史は顔を赤らめる。
 
「・・・あっ!・・・い、嫌・・・見ないで・・・」
 隆史の視線でようやく自分の様子に気づいた葉琉奈が悲鳴をあげた。見られているのを隠すように、慌てて股間を手で押さえる・・・皮肉にも、その動作がアソコに溜まっていた愛液をぷしゅっと押し出す役割を果たす。衣を、そして太股を蜜がじっとりと濡らしていく。そんなあまりの羞恥に、葉琉奈は首筋まで真っ赤に染めてうつむいてしまう。
 
 葉琉奈の言葉にあわてて背を向けた隆史が、ぽつりとつぶやいた。
「・・・ごめん・・・君にそんな思いをさせるつもりじゃなかったのに・・・」
「ちがうの! 隆史くんは悪くない・・・悪いのは私なの。様子がおかしいこと、もっと早くに気づけたはずだったのに。本当に隆史・・・ううん、岡村くんが私のことを求めてるんじゃないかって思っちゃったのかな。そんなことあるはずないのに。」
「は、葉琉奈ちゃん・・・」
「岡村くんの気持ち、勘違いしちゃって。馬鹿ね、私ったら。こんないやらしい姿まで見られて・・・もう、ほんとに自分で自分が嫌になるわ・・・」
 
「ち、違う! 違うんだ・・・本当に、俺は君を・・・」
 うつむいたままぽつりとつぶやく葉琉奈の言葉に、隆史は弾かれるように彼女の側に近寄った。がしっと両肩をつかまれた葉琉奈がゆっくりと顔を上げる。上気して赤く染まった頬、涙に濡れる瞳を間近に見て、隆史は思わず言葉を途中で切って、葉琉奈の唇にキスする。
「お、岡村くん・・・慰めてるつもりなら・・・」
「前から、ずっと前から君のことが好きだったんだ・・・だから、だからそんなこと言わないで。」
 葉琉奈の柔らかな体をぎゅっと抱きしめる隆史。その腕の中で、葉琉奈は自分の体から自然と力が抜けていくのを感じた・・・