ここは、青城学園中等部。1-Aとかかれたプレートの掛かる、いつもどおりの騒がしい教室の朝、ひときわ甲高い声が響いた。

「えっ、誕生日のプレゼント! いったいどういう風のふきまわしなの? 真紀、祐子」 
「まあね。私だってもらっちゃったんだから、その分ぐらいは返さなきゃなんないでしょ」
 祐子が、少し顔をあさっての方向に向けてそう受け流す。全く祐子はいつも素直な言いかたができないんだからと思いつつ、真紀はきれいに包装された小箱を取り出して、

「とにかく、誕生日おめでとう! のり子」
「うん、ありがとう。ねえ、これ開けてもいい?」
 のり子は、そう言いながらもう包みを開けて中身を取り出し始めている。
「わー、きれいなペンダント! これ、琥珀かしら。どう、私に似合ってる?」
「うんうん、とっても似合ってるわよ」
「ねえ、どこで買ったの? 結構高そうにみえるけど」
「三丁目の角のところのアンティークショップよ。心配しなくても掘り出し物だったのよ、それ。表面にちょっとした傷があるでしょ。それで安くなってるのよ。それにのり子は科学部の会計やってて、私も祐子もいつも迷惑かけっぱなしだしね。なにせ、金遣いの荒い副部長がいると大変だから・・・」
「何いってんのよ、真紀だって・・・って、そんな話じゃなくて。なかなか趣味がいいでしょ。なんたって私が見繕ってあげたんだから・・・」

 祐子が、ちょっと自慢げにそう話はじめるのと同時に、教室の扉が開いて先生が中に入ってくる。
「まったく朝のホームルームの前は自習ってことになってるだろ! 早く席につかんか。」
 途端に席を離れていた生徒が机に戻って、ざわついていた雰囲気が静まり、いつもどおりの授業が始まった。