掃除をするときと雅隆に用事がある時には何度も入ったことがあるのに、今はま
るで違う部屋に入ってきたような印象だった。
雅隆の部屋は几帳面な性格からか、高校生としてはきれいに片づいている方であ
った。
ドアを入った右側の壁にベッドが押しつけてあり、壁の中程に出窓がある。 そ
の対面側の壁の奥の角にテレビが置いてあった。
勉強机はシンプルな木の机で、テレビがある側の壁を向くようにして置かれてい
る。 ドアの真正面に大きな2枚ガラスのサッシがすでに暗くなりはじめた庭の
景色を雅達に見せていた。 雅達の家の敷地はかなり大きく、敷地面積だけで2
50平米あり、南側に庭を大きくとって日当たりがいいようにしてあった。
女の子が二人いるので、父親が背の高いコンクリートの塀で敷地の周りを完全に
囲んでしまったのだが、雅達の家は低層住宅地域に立っているので周りに大きな
建物もなく、高い塀があっても十分に日光が1階の部屋に降り注いだ。
「ベッドに座って.....テレビに近いところに座ってくれる?」
雅がベッドに座ると、テレビとビデオのリモコンを手に深雪が隣に腰を下ろした。
「カーテン閉めないの?」
「表からテレビ見えないんだから大丈夫よ。 それに誰かに覗かれるわけじゃな
いんだし、暗くするとそれだけでエッチな感じがするよ」
「そ、それもそうよね....」
「じゃあ、お姉ちゃん、始めるね」
「う、うん....ちょっと深雪ちゃん...あれは何?」
雅が指さした所、テレビの隣に三脚に取り付けられたビデオカメラが置いてある。
ビデオカメラのレンズは雅達の方を向いており、背面からはケーブルが垂れ下が
っている。
そのケーブルは電源コードと一緒にテレビの背後に伸びていた。
「あ、あれ? あれは、最初から置いてあったのよ。 雅隆が何かに使おうと思
ってたんじゃないの?」
「そうなの....ごめんなさいね....どうも落ち着かなくて」
「気にしない、気にしない。 初めてそういうビデオを見るんだから、しょうが
ないよ。 それじゃあ始めるね」
深雪はリモコンの電源ボタンを押して、ビデオとテレビの両方の電源を入れた。
普段の雅は絶対に見ることの出来ない民放放送の夕方のニュースがテレビに映っ
た。
深雪はビデオのボタンを押してビデオデッキの映像に切り替える。
ビデオからまだ信号が来ていないので、画面は真っ青な状態である。 再生ボタ
ンを押すと青い画面が黒っぽくなり、白いノイズが横に走ったかと思うと、突然
映像が表示された。
20歳ぐらいのホッソリとした女性が田舎の梁のある昔ながらの部屋で40歳ぐ
らいの男性と一緒にいるところからビデオは始まっていた。
二人の会話の間に、映像は女性の身体を舐めるようにしながら、胸やスカートの
裾等をアップにしていく。
女性は白いブラウスに赤いミニスカートを着ているだけなのだが、男性は外から
来たという設定なのかサングラスをして革ジャンを着ている。
どうやら以前恋人同士だったらしく、男の元から女が逃げたらしいということだ
けは雅にもわかったが、ストーリーはそれ以外は無いに等しかった。 
男が女性ににじり寄り、突然女性を突き飛ばした。畳の上を転がる女性をカメラ
は追いかける。
女性の脚が乱れ、ミニスカートの奥から白いショーツが顔を出した。 乱れた脚
の間がアップになる。
倒れたまま畳の上を後ずさる。 
男はいつの間に取りだしたのか、左手に麻縄を握りしめている。 女性は麻縄を
見ると引きつった顔をして四つん這いになって逃げまどった。
深雪は画像などまったく見ていなかった。 深雪が見ているのは隣に座っている
姉の表情であり、姉がビデオを見てどのような反応をするのかををジッと見てい
るのだった。
雅は最初は嫌悪感からか眉根に皺を寄せていたが、今では何かに取り付かれたか
のように映像に見入っている。
深雪は三脚に取り付けているビデオカメラを枕の下に隠してあったリモコンで電
源を入れ、雅がビデオを見ている様子を撮影し始めた。 映像に夢中になってい
る雅は自分がビデオカメラで撮影されていることなど全く気づいていない。 雅
はコンピューターの仕事をしているとはいっても、それ以外の機械は大の苦手で、
ビデオやステレオの接続などは全くわからない。ビデオカメラの録画中を示す赤
いランプの点滅の意味すらわからなかった。
深雪の悪戯そうな目に小悪魔的な光が宿っていた。 薄い唇が少し上に持ち上が
り、冷たい笑みが深雪の口元に広がっていた。
画面では女性がブラウスを脱がされて上半身ブラジャーだけにされた状態で後ろ
手に縛られていた。
息つく暇もなく、あっという間に手首に巻き付けられた麻縄が二の腕に巻き付け
られ、さらにブラジャーをしたままの胸の上に巻き付けられていく。使い込んだ
と思われる少し色が濃くなった麻縄が3重に乳房の上下に喰い込んで、ブラジャ
ーをした乳房の大きさを強調させた。
深雪はベッドの枕元に置いてあったステレオのリモコンを取ると、電源を入れて
ビデオの音声をステレオのスピーカーから流れるように操作した。
平面的な音に臨場感が加わる。 まるでこの部屋に画面に映っている二人がいる
のではないかと思わせるほどだった。
<いやぁっ! やめて!>
<何いってるんだ、この前まで俺に縄で縛られてヒーヒー言ってヨガってたくせ
に!>
男は上半身を縛られた女性を引き倒すとミニスカートを引き裂くようにして腰か
らはぎ取った。
<ヒイーッ!>
雅は画面に釘付けだった。
見始めた時はストーリーなど何もない、女性を性の道具として扱い、馬鹿にした
ものだとはらわたが煮えくり返るほど腹立たしかったのが、いつの間にか夢中に
なっていた。
女性が荒々しく服をはぎ取られ麻縄を巻き付けられていく度に身体の芯が熱くな
り、心臓がドキドキと激しく脈打った。
(なんでこんなにドキドキするの? それに身体が熱い....)
男は引き倒された女性の右足首に別の縄を巻き付けるとふすまを開け放ち、柱に
結びつけた。
<それじゃあ、おまえの好きなオマ○コパックリをやってやるよ>
<いやぁ~っ! やめて~っ!>
後ろ手に縛られ、右脚を柱に縛り付けられてしまっては、もう逃げようがなかっ
た。
左脚の太股とふくらはぎが完全につくように膝を曲げると太股と脛に麻縄を巻き
付けてひとくくりにした。
縄尻を一つになった太股とふくらはぎの間に割り込ませると反対側から出して、
巻き付いている麻縄にからみつけるようにして更に強固に縛っていく。
左脚を縛り終わると右脚を動かないようにしていた縄を柱から解いて、その縄を
左脚同様巻き付けていく。
雅はベッドに脚を揃えて座っていたが、いつの間にか両手を股間に差し込んでい
た。
身体が熱くなると同時にさっき部屋でオナニーをしたときのようにアソコがキュ
ーッと引きつるような感触が雅を不安にさせた。 そしてオシッコがしたいよう
な、やるせない感覚に内腿で挟み込んだ手をすりあわせるようにしてしまう。
心が騒いだ。 どうしてこんな卑猥な、女性を侮辱した映像を見て心が騒ぐのか
雅にはわからなかった。
男は左脚の膝に一番近い麻縄に別の縄をくぐらせて固定すると、その縄を女性の
首に後ろにまわして反対側の膝に一番近い麻縄にくぐらせて強く引き絞った。
<イヤーッ!>
<ほ~ら、オマン○パックリだ!>
首の後ろに回した麻縄を引き絞ると両膝が首方向に引き上げられ、ショーツだけ
の股間が完全に剥き出しにされてしまった。
股間が画面一杯に映し出される。
<なんだ、もう濡らしてるんじゃねぇか! イヤだイヤだ言ってても所詮おまえ
はマゾなんだよ!>
画面一杯に映し出されたショーツの貼り付いた股間には、男の言うとおり丸い濡
れ沁みが出来ていた。
雅はショーツのクロッチが丸く濡れているのを見て、ドキッとした。
(私もさっきみたいに濡れてるかも....)
深雪の方をチラッと横目に見ると深雪は雅のことなど忘れているかのように映像
に見入っていた。
(濡れてたらどうしよう....せっかくシャワーを浴びて取り替えたの
に....)
濡れてるかどうか心配になった雅は深雪が自分の方を見ていないことを再度確認
すると、スウェットパンツ越しに股間を軽く触ってみた。
雅の身体がベッドの上で小さく跳ね上がった。 
映像を見ている深雪の顔が妖しく微笑んだ。