「ううんっ」
いつも通りの目覚め…
のはずだった。だが、起きたときに目に入ったのはご主人様の顔だった。
うぐっ…
いつのまにか腕の中で眠っていたらしい。
「やっと起きたのか」
寝たときと同じ格好のままの二人。
違うのは朝日がとぎれることなく差し込んでいたことだった。
「あ…」
鉄格子がかけられていない。
ちょっと、なんとなく二人が恋人のようにさえ見えるのが不思議だった。
そんなちょっとデートに来るようなくらい綺麗な景色の所だった。
山が見えて…
遠くには桜が咲いているのも分かる。
「おはよう、まゆちゃん」
「う…、ん、おはよう・・、ございますぅ…」
いつもの習慣の言葉だった…
でもご主人様はそれがひどく気に入ったみたいで、私の頭をなでなでしてみせて
にこっと笑った。
ぽかんと見つめる私。
「んっ」
そんな私に、ご主人様がいきなり口づけをした。
あ…
んはぁ…
甘い、私の唇をなめまわすような口づけ。
ちょっとその、雰囲気に酔ってしまっていた私はその二人の情景にとくとくと、
ドキドキしているのが感じられた。
「んぐっ、恐かったよぉ…」
そう言って私は、ご主人様の胸に頭を寄せる。
何が恐いのか…
なんとなくぼんやりしていてよく分からない。今日が恐いのかも知れないし…
学校があるのが恐いのかも知れない。
もしかしたら、ご主人様がいるのが恐いのかも知れないけど。
それでもそうしている間は安心できた。
「……」
酷い行為をされたのが思い出されるのに…
今はもっと恐いことしか思いつかない。
なんでかわからない。朝で眠くて頭がはっきりしてなかったからまるでいつもの
ように両親がいるかと思ってやったところにいたのがご主人様だっただけなのか
もしれないが…
私の中では、この人、ご主人様、と私が言っているこの人に身体を奪われるくら
いのことが何でもないくらいの恐怖が動物的勘で察知されていたのだ。
つまり…
味方になってくれる人がこの人だけかも知れないと…
言ってみれば…、うーん、いじめられっこが恐い先生に頼るような感覚だった。
「よしよし、いいこだな」
私の体を奪ったご主人様。
むりやりに…、だったけど、そのかわり私のことは好きみたいだった。
はぁうぅ…
そうして、少しそんな時間を楽しんで
から、ベッドを出た。
「そろそろ出ないと遅刻だぞ?」
八時半登校だったよね…
時計を見ると十分だった。もうそろそろ用意をしないと遅刻だろう。
んぐっ…
昨日の恐怖を思い出しながら覚悟を決めて制服を手に取った。
「でも…」
スカートには昨日履いたパンツがそのまま。
でも着替えがあるわけでもない。
しかたなしに私はちょっといやいやながらも、そのパンツの縫いつけられた、
スカートを身につける。
「あっ…」
私は忘れていたあることを思い出す。
そう…
股を刺激するように作られている制服にびくっと体を震わせる。
慣れれば大丈夫だよっ…、これくらい…
体を奪われた私はある意味割り切って、その制服を着れた。
ぎゅっ…
パンツが私の淫裂の中に食い込んでくる。
はぁ…
毎日着なければならない物だと思うとちょっと気が重い。
「そろそろ行くぞ?」
いやかなり…
そう言って、ご主人様が二人分の鞄を持ってくる。
一つは私のだろう。
私は、さっさと昨日のブラジャーを身につけると、さっさと制服の上を着て
ご主人様からその鞄を受け取った。
「う、うん…」
「どうした、あんまり乗り気じゃなさそうだな。昨日みたいな事が好きでた
まらないならいい学校だぞ?」
あまり嬉しくない言葉だった。
やっぱり…
私は身をもって感じていたことを言葉にされて深く気付く。
やっぱりこの学校は、あそこの学校なのだと…、女の子を犯したりとかこん
なえっちなスカートを制服にしたりと…
そう言うことをする学校なんだって。
完全に、犯罪だ。こんなのレイプだし強姦罪にだってなるはず。
もし、ここが本当に日本の一部であったなら確かにそうかも知れなかった。
「行くぞ?」
昨日のことを思い出す。
気持ちよかった… かどうかわからない…
ぼわっと体が熱かった。
そして、私はご主人様の陰に隠れるようにしながらそっと後から学校までの
道のりをくっついていった。
「絶対に俺から離れるなよ?」
…うん。
しかたなしに納得する。
そういうことを平気でする学校に通うと覚悟を決めた以上、私は、ご主人様
であるこの男の子の言うことには従うことにした。
少なくとも…
悪い人ではなさそうだもの。
…いや違う。
素直に従う気になったのは、私の勘をくすぐる言葉だったからだ。
ここでは私の味方になってくれれるのはこいつ、ご主人様だけかも知れない
ってことだ。
「……」
周りを見るとみな男女一組になって登校している。
同じ思いをしたのかあまり女の子の方はちょっと気が進まないような奥ゆか
しい感じの子が多く見える。
たまに元気なのは…
そういうことの方で頭がおかしくなっちゃった子なのかな…
ちょっと恐い。
「なにをされても拒むことは許されない」
えっ?
ご主人様がふとつぶやくように言った。
「学校ではそういう校則だから、俺に逆らったりしたらお仕置きが待ってる
んだから絶対逆らうなよ?」
う…
「……学校では、な」
「う、うん…」
なにをされても拒むことは許されない…か。
私って本当に奴隷にされちゃったのかな…、でも強制労働させられているっ
て訳じゃないし…
体の奉仕だから、肉…
変な言葉を思い出して、私は死にそうな気分になる。
肉奴隷か…、愛奴かぁ…、うぐっ…
なんとなく知っていたそんな言葉が頭の中を駆け抜けていった。
「今日から授業か…、まったくねぇ…」
そっか…
そう言えば授業なんてものがあった。
学校って勉強しに行くところだもんね…、そっか、勉強も身体も勉強しない
といけないのかぁ…
とにかく体の方の勉強をさせられるだけで気が重い。
 ずきっ…
「あうっ…」
不意に股の間にめり込んでいたピアノ線のようなものが変に周りを巻き込ん
だような痛みが走った。
はぁうぅ…
恥ずかしさをこらえてしゃがみこむと、股の間に手をやる。
別に変わったことはないようだった。
立ち上がると、ぎりぎりと引き絞られるように、また再び股の間を刺激して
くるのだった。
ふと、一瞬だけ、ほんの一瞬、頭の中で…
『わたしはこういう事をのぞんでいたから…、理解できる…?』
「……」
なんとなく近づいてきた校舎を見上げた。
どこからみても普通の学校にしかみえないのに…
両方とも違うはず。