官能的なエロ小説

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官能ペンダント

 ここは、青城学園中等部。1-Aとかかれたプレートの掛かる、いつもどおりの騒がしい教室の朝、ひときわ甲高い声が響いた。

「えっ、誕生日のプレゼント! いったいどういう風のふきまわしなの? 真紀、祐子」 
「まあね。私だってもらっちゃったんだから、その分ぐらいは返さなきゃなんないでしょ」
 祐子が、少し顔をあさっての方向に向けてそう受け流す。全く祐子はいつも素直な言いかたができないんだからと思いつつ、真紀はきれいに包装された小箱を取り出して、

「とにかく、誕生日おめでとう! のり子」
「うん、ありがとう。ねえ、これ開けてもいい?」
 のり子は、そう言いながらもう包みを開けて中身を取り出し始めている。
「わー、きれいなペンダント! これ、琥珀かしら。どう、私に似合ってる?」
「うんうん、とっても似合ってるわよ」
「ねえ、どこで買ったの? 結構高そうにみえるけど」
「三丁目の角のところのアンティークショップよ。心配しなくても掘り出し物だったのよ、それ。表面にちょっとした傷があるでしょ。それで安くなってるのよ。それにのり子は科学部の会計やってて、私も祐子もいつも迷惑かけっぱなしだしね。なにせ、金遣いの荒い副部長がいると大変だから・・・」
「何いってんのよ、真紀だって・・・って、そんな話じゃなくて。なかなか趣味がいいでしょ。なんたって私が見繕ってあげたんだから・・・」

 祐子が、ちょっと自慢げにそう話はじめるのと同時に、教室の扉が開いて先生が中に入ってくる。
「まったく朝のホームルームの前は自習ってことになってるだろ! 早く席につかんか。」
 途端に席を離れていた生徒が机に戻って、ざわついていた雰囲気が静まり、いつもどおりの授業が始まった。

 手足が重く、頭ががんがんする・・・意識がだんだんはっきりしてくるにつれ、のり子は自分がおかれた状況に気がついた。

「なにこれ、何で、私こんな格好して・・・うっ」
 生まれたばかりの姿をしたのり子は、まだ膨らみきれない胸を強く揉みしだかれ、思わず声をもらした。
「なにこれ、どうして・・・はっ・・・ん!」
 誰ともしれない手から逃れようとしたのり子は、自分の手足がまるで鉛でも詰まっているかのように動かないのに気づく。
 左の乳首をコリコリと指で撫で回されるだけでも、胸がきゅんと苦しくなるのに、まだ尖りきっていない右の乳首を軽く噛まれ、のり子は背筋をぴんと弓ぞらせて悲鳴をあげた。

 男の手の動きはさらにエスカレートする。胸を這い回る左手は、のり子の薄いが弾力のある柔らかな乳房を執拗にもみ、興奮で硬く飛び出してきたピンクの蕾をはじくように刺激する。

「そ、そんなとこ・・許して・・・・うっ!」
 許しを乞うように涙で潤んだ瞳で見つめるのり子を無視し、男の右手は、のり子の白く太股を撫でるようにすべる。まだ誰にも触れられたことのない秘芯に近づく指から逃れるため、
 のり子は大きく割り広げられた足を必死に閉じようと力を込める。しかし、内股が少し痙攣するだけで、肝心の足はぴくりともしない。

「・・・んんっ・・きゃふぅっ・・・くうっ!」
 哀しみと欲情の奇妙なバランスに彩られた目をいっぱいに見開き、のり子が悲鳴を上げる。男を知らないのり子の秘所、そのもっとも敏感なとこに指が達した瞬間だった。
 まだ柔らかな包皮にくるまれ保護された淫核を強く上下に擦るような男の指の動き、むき出しの神経繊維を直に刺激される感覚に、たまらずのり子は体をぴくと痙攣わせて、一瞬息を止める。敏感すぎるクリトリスからの電流のような感覚、それがのり子の背筋を走り抜け脳天に到達する。
 瞬間、淫部から徐々に感じられるようになった悪寒とも嫌悪感とも違う、今までに感じたことのない感情・・・快感?・・・がのり子の全身に広がり浸透していく。

「どうして、どうして、こんな・・・・・・・あああぁ」
 完全に包皮をはぎとられた上にくりくりと揉みほぐされ、のり子のクリトリスはまさに肉芽といった感じで硬く尖りきっていく。優しさのかけらも感じられない男の指の動き、それが逆にのり子の体、そして心を熱く、熱く火照らせる。

「・・・・あ・・・あ・・・そんなとこ・・・」
クリトリスを擦る右手の動きに加えて、左手の指がのり子の瑞々しいピンク色の花びらを撫でるようにうごめきだした。興奮に充血し始めたスリットを強く擦られた瞬間、のり子の体内をじゅんとしたものが駆けめぐり、まだ処女の花びらから透明な蜜がとろとろと流れ出す。

「やん・・・・・あそこが、あそこがとろけちゃう・・・」
 あふれだした愛液はとどまることなく、のり子のお尻から太股からぐしょぐしょに濡らしていく。男の指が大隠唇を広げ、まだ自分でいじくったこともない本物の処女の膣口が目の前にさらけ出される。
(・・・は、恥ずかしいぃぃ・・・・・)
 男を知らないピンク色の入り口が、冷たい外気にさらされてひくひくと蠢動している。それに合わせるように体をぴくぴくふるわせていたのり子が、突然海老ぞるように体をしならせて叫び声を上げた。

「きゃふっ・・・・・あ、うーん・・・」
 男の指が、のり子のヴァギナに深々と侵入してきたのだ。きつい狭穴にむりやり指を埋め込まれて、のり子の瞳からは一筋の涙が流れ落ちる。ぎゅっと締め付けてくる感覚を楽しむように動きを止めていた男の指が、ついに前後のストロークを開始してのり子の秘所を犯しはじめる。

「うーん・・・・あん、ふぁぁ・・・・」
 ずぼずぼと卑猥な音をたてて、のり子の膣内をかきまわす。そんな指の動きに合わせるように、のり子は体を震わせてあえぎ声を上げる。アソコからわき上がる耐え難い快感に、のり子の瞳がぼんやりと霞みはじめる。
「・・・・きゃあぁ・・・・そんな・・・」
 興奮にぴくぴくと振動する唇に、突然、男の熱くたぎりたった怒張が押し当てられ、のり子はたまらず悲鳴を上げる。

(こんな、こんなこと絶対嫌~~)

 がばっ!

 肉棒が唇を割り裂こうというまさにその瞬間、のり子は口を手で押さえた格好で飛び起きた。
「ゆ、夢・・・・何なの、今の・・・」
 暗闇の中、自分の体を思うがままに陵辱する男、よく顔もわからなかったその姿が脳裏によぎり、のり子はあわてて頭をぶるっと振って、その考えを打ち消した。寝汗でびっしょりと濡れた下着と寝間着が体に張り付き、とても気持ち悪い。しかし、それもさっきまでの夢の気持ち悪さとは、とても比べものにならない。そのとき、のり子は、自分のパンティが汗じゃない液・・・愛液でじっとりと湿っているのに気づいて顔を赤らめた。

(私ったら、なんてはしたないことを・・・・・)
 階下の方から、お手伝いさんが朝御飯の支度ができたことを伝える声が聞こえる。のり子は、恥ずかしさとくやしさで混乱する気持ちを必死で押さえつけながら、学校に行くための身繕いを始めた。

(どうしてあんな夢を見たんだろう・・・・)
 いつもの教室、いつものように騒がしいクラスメイト。その喧噪の中で一人、先ほどの奇妙な夢について考え込んでいたのり子は、細い肩をぽんと叩かれ振り返った。祐子と真紀だ。

「どうしたの? 朝からブルーな感じに浸っちゃってさ?」
 と真紀が声をかける。
「うん、別になんでもないわよ」
「さては、あの日だなあ・・・・って冗談よ、冗談」
 いたずらっぽい問いかけをした祐子は、のり子に睨まれて、あわててそういう言い訳をする。そんな会話の途中で、先生が入ってくるのを見て、みんな急いで席に戻る。真紀は、ふと担任の冴島の後ろから見慣れない青年が入ってくるのに気付いた。

 黒板の前に立った冴島が隣の青年を紹介しながら、
「みんなよく聴けよ! こちらは、今日からこのクラスで教育実習を行うことになった広永君だ」
「皆さんはじめまして、広永啓介といいます。二週間ほどの短い付き合いになると思いますが、どうかよろしくお願いします」
 ぺこりとおじぎをしながら、紹介された青年が自己紹介する。その途端に、教室のあちこちで品定めが始まり、慌てて先生が静かにさせようとしているのが見える。

 興味津々といった感じの祐子は、
「へー、なかなかいい男じゃない? そう思うでしょ、真紀」
「そうかなあ・・・のり子はどう思う?」

 真紀からそう話をふられたのり子であったが、それに答えることが出来なかった。広永と名乗った青年に目が釘付になってたからである。

「誰なの。見たこと無いはずなのにどこかで会ったことあるような・・・嫌な感じがする・・・」
 頭の中に自分とは別の誰かが住み着いたようなそんな感触を覚えた途端、意識がブラックアウトする・・・

「のり子!」

 急に椅子ごと倒れてしまったのり子を見て真紀が悲鳴をあげた。ざわついていた教室がさらに混乱の極みに達し、その中を冴島と広永があわててそばに駆け寄ってくる。

「おい、大丈夫か、高橋!・・・だめだ完全に気を失ってる。おい、はやく高橋を保健室につれていくんだ」
 のり子を助け起こして頬を少したたいたりしていた先生も、あきらめたのか保健委員にそう告げる。呼ばれた生徒が運ぶためにのり子を起こして肩にもたれ立たせた拍子に、あの誕生日プレゼントのペンダントが胸元からちらりと顔をのぞかせる。

「どうしたんですか、広永先生? 顔色が優れないようですけど?」

 真紀は、広永がペンダントを見て顔色を変えたのに目ざとく気付いて、そう尋ねる。
「いや・・・べ、別にたいしたことじゃないんだ。ただ、見たことあるペンダントに似てるかなって思って・・・気のせいかな、たぶん」
 真紀は、苦し紛れにも似た笑いをうかべる広永をじっと見つめていた。

「ほらほら、祐子。ぐずぐずしないで! あいつを取り逃がしちゃうじゃない」
「大丈夫だって、そんなにあせらなくても」

 あれから小一時間。真紀と祐子の姿は、学校から電車で二駅ほどの繁華街の中に会った。あの実習生、広永の後をつけてきたのである。

「真紀、真紀ってば! なんであいつの後なんかつけなきゃなんないのよ?」
「のり子が倒れたのは、あの男を見たからなのよ。絶対何か関係あるわよ。広永の方の様子だって普通じゃなかったもの。」
「あいつとのり子が知り合いだっていうの?」
「うーん、そこまでは言い切れないけど・・・ほら! あいつ、あの店の中に入っていくよ!」

 レストランに入っていく広永を見て、二人も慌てて後を追いかける。
「いるいる」
 入り口近くの席に陣取った二人は、カウンターに座っている広永を見つけてそうつぶやく。
「どう、あいつの様子は?」
 広永がいる方に背を向ける形で座った祐子が、後ろを振り向きたいのを我慢できないようにそう尋ねる。
「うーん、なんだか人を待ってるみたいね・・・ただ、相手の人がちっとも来ないのでいらいらしているみたい・・・・あ、こっちに来る!」

 ちらちらと広永の方をうかがっていた真紀がそう言うのを合図に、二人は慌てて見つからないように顔を下げる。

「な、なに、もしかして見つかったの?」
「しっ! 違うみたい・・・電話かな?」

 レジの方向に歩いていく広永を横目で追いながら、真紀がそう答える。広永は、どうやら待ち合わせの相手に電話をしているらしく、少し怒ったような声で話している。
「・・・おい、なんだよ・・・なに・・・ああ、わかった・・・」
 何かメモを取りながら電話をしていた広永は、そう言って電話を切る。レジで会計をすませ店を出ていくのを目で見送りながら、真紀が慌てて席を立つ。

「どうしたのよ、急に?」
 小走りに電話のところに行って戻ってきた真紀に向かい、祐子がそう声をかける。
「うん、これよこれ。広永の奴、何かメモを取ってたでしょ。その跡が次のメモ用紙に残ってないかと思ってね・・・もう、ばっちり! どうやら、どこかの住所みたいね」
「それでどうするの?」
「何言ってるのよ! もちろん、追いかけるのよ」

「・・・はあ・・・どうしたんだろう・・・」
 学校を早引けしたのり子は、帰宅早々自室のベットに横になった。
(やっぱりあの実習生の人を見てから、何か変だわ。頭がチリチリしてなんだか自分じゃないみたい・・・・)
 強烈な睡魔に誘われ、のり子は深い眠りの中に落ちていく。あの快楽夢(あくむ)の中に・・・・

「うっ・・・くううう・・・」
 まだキスの経験すらもない唇に男の熱くたぎったものを感じ、のり子はたまらずうめき声を上げた。そのままのり子の唇を割るように突きこまれる肉棒に小さな口をふさがれ、のり子はたまらず息を詰まらせる。喉の奥まで押し込まれる息苦しさで、含んだモノを吐き出すように動かす舌の動き、それが皮肉にも男の快感を増大させる。
(・・・くっう・・・なんで・・・こんな・・・)
 口内を往復運動する肉棒の動きが速まったのを感じ、のり子は本能的な恐怖を覚えた。男のモノがひときわ奥に押し込まれた瞬間、びくっという震えとともに喉の中に熱い液体がそそぎ込まれる。

「・・・ごほっ・・・ごほっぅ・・・」
 白く糸を引く精液をくちびるの端からしたたらせつつ、せき込むのり子。そんなのり子の様子にお構いなしに、凌辱はさらに続く。つい今しがたあれほどいじくり回されたクリトリスを強く擦られて、のり子の体がぴくんと跳ねる。その拍子に、のり子のクレバスからはまたあの液体がにじみ出る。清純そのものといった聖液を塗りたくった男の指がずぼっという感じでのり子の体内に突きいれられる。

「ううう・・・あ・・・あ・・・ああああ」
 ぐりぐりと膣内をかき混ぜられるたびに、じゅるじゅるとのり子の愛蜜が音を立て、喉が快感のスタッカートを奏でる。まだ幼い狭穴を出し入れする右手の動きに合わせて、左手の指が、快感に勃起しきったのり子のクリトリスをとんとんとリズミカルにはじく。そのたびに、あそこから体全体にじわっと快感が広がっていき、喉からは恥ずかしげなあえぎ声がもれる。

「やあぁ・・・・ふあぁぁぁ・・・」
 突然、今まで執拗にのり子のヴァギナを犯していた指がすぽっと抜かれる。のり子は、ほっとした感覚とともに、なんだか物足りなさも覚える自分に気づき頬を赤らめる。
 だが、それも一瞬のことだった。抜かれた指が、のり子のもっとも恥ずかしい部分、バラ色のアヌスに侵入してきたのだ。濡れるだけ濡れそぼった愛液が潤滑油になり、男の指はずぶずぶと思ったほどの抵抗もなくのり子の菊の華の中に埋没していく。
「・・・・きゃふ・・・・くーん・・・・」
 ずっぽりとアヌスに埋まった人差し指の圧迫感に、声を詰まらせるのり子。さらに辱めるように、親指がずぶずぶとのり子の膣口に突っ込まれる。二つの狭穴を同時に刺激される(いじくられる)感覚に、のり子の体内からはさらに大量の愛液が吹き出す。ねっとりとした性液まみれのアソコとお尻の穴、その間の薄い粘膜を二本の指で挟むように揉みほぐされて、快感に踊るようにのり子の体が跳ね上がる。

「・・・あああぁ・・・・・・」
 2本の指がひときわ深く差し込まれた瞬間、のり子の口からは感極まったあえぎ声がもれ、体がぴんと緊張したかと思うと全身の力が抜けたようにぐったりとなる。いわゆる、「いった」という状態だ。男の指がゆっくり引き抜かれ、愛液が指とあそこのあいだで糸を引くのが見える。

(・・・・あれ・・・何かおかしい・・・)

 快感の余韻に浸りながら、のり子は何か違和感を感じた。自分が自分で無いような感覚。
(・・・私、こんなに髪長くない・・・それに胸ももっと小さかったし・・・えっ、私どうしちゃったの?)
 男に凌辱されているのがいつのまにか自分じゃなくなっている、そんな感覚を覚えたそのときに、のり子の頭の中に知らない女の子の声が響く。
「私は、黒崎玲子・・・・あなたの体を借りるわ・・・」
「えっ!」
 のり子が驚きの声をあげる。ちょうどその瞬間、さきほど口の中に精を放ったばっかりの肉棒が、ヒクヒクと震えるのり子の膣口に当てられる。ぐしゅ、ずぶっという音をたてて中に侵入してくる圧迫感に、のり子はさきほどの奇妙な声のことも忘れ、切迫したあえぎ声を上げる。

「・・・・きゃふ・・・くっ・・・・あーんっ!」
 柔らかな媚肉の壁面を削り取るような怒張の激しい一突き一突きに、のり子は体をよじらせてもだえる。はじめて男のモノを受け入れた細いスリットから全身に走る痛みに、少しピンクがかった頬を一筋の涙がこぼれ落ちる。
「あっ!・・・・だ、だめ・・・」
 快感にぶるぶると内股が痙攣し、アソコの締め付ける力がぎゅっと強まる。大量の白濁した液がのり子の体内にそそぎ込まれ、その熱い、熱い精を子宮で受け止めた瞬間、のり子は自分の意識が暗い闇の中に沈んでいくのを感じた。

「ここよ、ここ」
 繁華街から、電車で一時間。もうあたりがすっかり暗やみに包まれた頃に、真紀と祐子はようやくあのメモ用紙に残されていた住所の場所に到着していた。そこは、どうやら倉庫街の一角らしく、見るとその倉庫の一つからうっすらと明かりが漏れだしていた。

「どうやら、あの建物みたいね。」
「でも、広永先生ったらこんなところで一体何の用かしら?」
「そんなこと私に聞かれてもわかんないわよ。誰かとの待ち合わせだと思うけど・・・とりあえず中に入ってみましょ!」
 祐子の問いにちょっと口をとがらせて答えた真紀は、そのまま倉庫の裏の方に回り込んでいく。
「ちょっと、ちょっとどこ行くのよ?」
「まさか正面から入るわけにはいかないでしょ。裏口の方に回るのよ。」
 目論見通り裏口を見つけて、真紀はしてやったりといった表情を浮かべながら、そっとドアを開ける。
「あそこの荷物の陰に隠れましょう。それで中の様子がわかると思うわ」
 真紀はそう声をかけて、そろりそろりと音を立てないよう注意しながら中に入っていく。祐子もその後を追いながら、
「どう、広永先生は・・・」
「しっ! なにか聞こえる」
 真紀が祐子の唇に指をぴたとあててそう諭す。その言葉通り、倉庫の奥の方から男の話し声が聞こえてきた。
 
「・・・あのことがばれたかもしれないだと! 何を証拠に、そんな馬鹿なことを言ってるんだ?」
「ペンダントさ! あの時の娘、黒崎玲子が身につけていたペンダントを見つけたんだ。今日行った中学の生徒がしていたんだよ!」
「ペンダントなんて同じようなものなどいくらでもあるさ。そんなことでいちいちびくびくするなよ」
「いや、間違いない。見覚えある傷があったし・・・」
「心配するなよ。あの女はもうこの世にはいないんだ。俺たちが始末したじゃないか。ただの偶然さ」
「・・・しかし、やっぱり俺は・・・」

 がたがたっ。突然の物音に広永ともう一人の男がこっちを振り返る。

「やばっ! 見つかっちゃったじゃないの、祐子」
「だって急にあんなこと言われて・・・とにかく逃げましょ」

 あわてて逃げ出す真紀と祐子だったが、大の男の足にかなうはずもない。
 後ろ手に縛られて倉庫の床に転がされた真紀と祐子。それでも、祐子は気丈に二人をにらみつける。
「あんたたち! こんなことしてただですむと思ってるんでしょうね!」
 そんな祐子の言葉を、小馬鹿にしたような笑いで受け流し、
「ただですませるつもりはないさ。いろいろ都合の悪いことも聞かれてしまったみたいだしな・・・俺と広永は高校時代からのいわゆる悪友でね。いろんな悪事もやってきたんだ。黒崎玲子とかいった女をさらってきたときには、ずいぶん楽しませてもらったな・・・」
「そんなことぺらぺらとしゃべって・・・絶対、警察送りにしてやるわ!」
「無駄だよ。彼女は絶対見つかりっこ無いところに埋めちまったからな。後はおまえたちの始末だけ・・・」
「三崎! 彼女たちは・・・」
「関係ないか? そんなことはないだろ、広永。こいつらをこのまま逃がしちまったら、俺もお前も終わりなんだ・・・まあ、始末する前にじっくり楽しませてもらうがな。俺はこっちの気の強そうな娘が気に入ったぜ。お前はそっちの子でいいだろ」

 そう言っていやらしい笑いを浮かべた三崎が、ゆっくり祐子に近づいていく。恐怖に瞳を曇らせながらも体を揺らして、はかない抵抗を試みる祐子の胸元をつかんだ三崎は、そのまま乱暴に祐子のセーラー服を引き裂く。びりびりという音が倉庫の中に響き、ブラジャーに包まれた祐子の乳房がぷるんと露出する。

「きゃあ!」

 今まで我慢に我慢を重ねていた祐子がとうとう悲鳴を上げたまさにその時に、がらがらという音とともに、倉庫の扉が開いていく。

「のり子! どうしてここに!・・・・」
 倉庫の入り口に浮かび上がったのり子の姿を見て、真紀が声をかける。しかし、のり子の様子がいつもと違う・・・そして、右手に握られた鈍く光るナイフに気づいて絶句してしまう。
「お仲間の登場って訳か。しかし、そのままじっとしていてもらおうか。でないと、このお友達のかわいい首がへし折れることになるぞ!」
 真紀の声に振り返った三崎は、祐子の華奢な首を右手で握りしめて凄んだ声を張り上げた。
 だが、のり子の歩みは止まらない。ナイフをしっかりと構えたまま、一歩また一歩三崎達に近づいてくる。
「のり子? 違うわ。私の名前は黒崎玲子。そう、あなた達が殺したね。そして・・・」
 のり子はそう言って、壮絶な笑みを唇に浮かべる。

「・・・今度は、あなた達が死ぬ番だわ」

「・・・ふっ、はったりもいいかげんにしないと・・・」
 三崎は、青ざめた表情を必死で隠しながら、右手の筋肉に力を込める。
「・・・・くうぅぅぅ・・・」
 細い首筋にかかる強烈な圧力に、たまらず祐子の喉から苦しげなうめき声が漏れた。痛みに耐えかねたのか、その目からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
 
(・・・だ、だめっ!・・・)

 光る涙を見た瞬間、今まで暗闇のなかに閉ざされていたのり子の意識が急速に戻ってきた。ようやく体の自由を取り戻したのり子の右手からナイフが滑り落ち、からんと床に落ちた。それを見た広永が急いでナイフを拾い上げる。

「くくくっ。また、かわいいお嬢さんが楽しませてくれる。まあ、まずはこの子からだ」
 そう言って、三崎は祐子のブラジャーを引きちぎったかと思うと、両手であらわになったピンク色の胸を揉み上げる。十三歳のぴちぴちと張りのある乳房を強く刺激され、祐子の口からは、悲鳴にも似た嬌声が上がる。
「ほら、もっといい声で鳴かせてやろうか・・・ぐっ・・・何を・・・・」

 さらにエスカレートする手の動き、それが祐子のパンティにまで伸びてきたその瞬間、三崎の口から苦しげな声がしたかと思うと、そのまま床に庖れ落ちる。
 何がなんだかわからない祐子の目に映ったのは、呆然として立ち尽くす広永の姿だった。その手には、血に赤く染まったナイフが握られている。

「・・・ごほっ、ごほっ・・・広永先生。先生が助けてくれたんですか。でも、どうして・・・?」
「・・・もう耐えられなかったんだ。そう、自分の犯した罪は自分で償わなければいけないんだ・・・」
 祐子の問いにそうつぶやいた広永は、ゆっくりと右手のナイフを自分の胸に当てる。そのままナイフが心臓に向かって突き刺さる、それを止めたのは駆け出してきたのり子の両腕だった。
「先生! そんなことをして本当に彼女が慰められると思っているんですか! もし、本当に罪を反省しているのならば、生きるべきです。生きて彼女にしたことを償うべきです。」
 すべてを知っているようなのり子の瞳を見て、広永は静かにナイフを下ろした。

 その後が大変だった。3人の連絡で駆けつけたパトカーと救急車。真紀、祐子、のり子の3人もそれぞれ事情徴集とかで拘束され、やっと解放されたのは、もう月も高く上った夜半すぎだった。

「・・・・結局、全然わからなかったんだけど、なんでのり子がこんな所にいるわけ?」
 納得できないという感じで真紀が問いかける。祐子も同じ疑問を抱いていたらしく、うんうんとうなづいている。のり子は、ちょっと迷ったものの、あの奇妙な夢から話し始めた。
 
「・・・それってただの欲求不満じゃないの?」
「違うってば! だって夢に出てくるのが私じゃないんだもの。たぶんあいつらが彼女にしたことを追体験してたんだと思う、夢の中でね。そして、その後、彼女に操られてここまできたんだと思うわ」
 じと目でつぶやく祐子に、ちょっと怒ったような調子でのり子が答える。
「・・・もしかしてそのペンダントのせい?」
「たぶんね。そのペンダントはあの子のものだって言ってたもの。おそらく・・・」
 祐子と真紀の言葉に、のり子ははずしたペンダントを手の平で踊らせながら答える。
「このペンダントに込められているあの子の記憶、感情に飲み込まれて操られてたんでしょうね。おそらく復讐のために・・・」
「これで安らかに眠れるのかな、彼女・・・」
「わかんない・・・でも・・・・」

(そうあって欲しい)、のり子が思った瞬間、手の平にのせたペンダントが月の光に煌めいたかと思うと溶けるように手の平からこぼれ落ちる。

「な、なに今の・・・・」
「もともとここに存在するはずのなかった物だったってこと・・・」
「彼女の想いをうけて現れ、そして消えたのね」

 まるで涙が流れ落ちるように消えてしまったペンダントを見て、3人とも目を丸くする。驚きの中で、それでものり子には一つだけ自信をもって言えることがあった。それは・・・

「・・・でも、これで彼女の思いも遂げられた。安らかな気持ちで眠れるはずだわ・・・」

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